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未来が少し見えた日

みなさん こんにちは

遂に夏休みが終わりましたね〜

先日、私の方でも偏差値教育の終焉について少し触れましたが、後日、まるで反芻するかのように日経新聞でもそれについてめちゃくちゃ大きく取り上げていましたね(^^

とにかく、これからの子供達、これからの人間に求められるのは

「自己管理能力」

だと私は強く思っています。

情報は溢れかえり、サービスや媒体はほぼ大手が吸収し傘下におさめ、運営側に不都合な事象はことごとく削除されるようになってきている世の中です。

こういうつまらない状況が標準化してくると、昔ながらの書籍がまた息を吹き返してくるでしょうね。情報源としてのね。

流れに流されるのはとても簡単なことですが、ここは自分の世界なんだという強い軸を常に持ち続け、後悔なき人生を送って行くためには、

1)自分の存在を理解し

2)自分の人生を自分自身でしっかり管理マネジメントできる

ということがシンプルに大事な事なんだろうなと思っています。

今年は夏休みに入る前に、子供達にはそのことをパパからはお話ししました。

なんとなく、何事も自分で決めないでそれとなく生きて行くのと、小さい時から意思決定・決断経験を沢山積み、その結果に対して自分の人生の事としっかりと責任をもつ。ということが当たり前になるのとでは、まるで別世界に生きているような感じになってしまいますよね、

決断経験については、以前 曽山さんの記事 を紹介しましたのでここに貼っておきますね。

夏休みに課題の絵を描く。ただのそれだけのことですが、揃えられた画材やテーマが既ににあって絵を描くのと、「何もないところから絵を作るまでをやってみる」とでは天と地ですよね。

すでにあるお金の使い方を教える・学ぶのと、お金の仕組みや稼ぎ方から自分でやってみてお金の使い方を学ぶ、とでは、これも天と地ですよね。

これはこの世の摂理であるとも思うのですが、すべては現象化する目立つ氷山の一角の下の見えていないところを形作れる、マネジメントできるか否かで差が出ますよね。

だから子供達には、苦労して自分の経験を通して学んで、自分なりのフォーマットを手に入れてもらえたらなと、親としては願っています。

さて、

話は変わって、最近どうしても私の頭の中を巡り巡ってしまう、「次世代の田んぼの在り方」

ここ数年の自分なりの工夫の苦労もあってか、かなりイメージが固まってきたのですが、稲刈り前のこの融通のきく時間に様々なところに実際に自分の足で出かけてみたくて、兵庫県内にあるとある施設にお邪魔してきました。

下のこの施設の全体写真・・耕作放棄地を市で買い取ってビオトープとして管理して環境教育の場を提供しているわけなのですが、これを一つの家庭や村・集落や町や国の縮図と考えた場合、いろんなものが見えてきますよね。

広い意味で縮図です。完全にこれは。

元々は棚田として実際に使われていた数々の要素をうまく引き継ぎアレンジされています。
一つの世帯として移住する際も、このように少し視点を広げて包括的に自分たちの範囲として管理できたら理想的です。

ここはイノシシはいなくて、ほとんどが鹿の被害だそうです。施設の周囲ぐるりに背の高い鹿よけネットがされていますが、鹿がネットの下の方をを食い破って中に侵入してしまうらしくて、その部分にまた別の樹脂製のフェンスを張り巡らせてあります。
ここにはいないらしいのですが、我々の地域では稲や野菜の食害被害で非常に問題になっているヌートリアとアカミミガメ対策にもこの下部をおさえる対策は有効かもしれませんね。
生き物視点でみてみれば、このような構造物等は非常に大切な拠点だということがわかります。
田んぼやビオトープへの応用が考えられますね。
ミズカマキリにも二種類いて、小さいほうが「ヒメミズカマキリ」大人になっても小さくて食性もミズカマキリとは少し異なります。
この写真にはありませんが、タイコウチも「ヒメタイコウチ」が存在し、こちらも食性がタイコウチとは異なります。
場に生き物の多様性が増してくると、こういった「ヒメ」がつく水星昆虫が増えてくることになります。一つの指標ですね。
平日は毎日、市内だけでなく、県下から環境教育が義務付けられている小学三年生が学校毎に訪れるとのことでした。夏休みは夏休みで自由研究目的で親子が沢山訪れるようです。全て無料なのがこれまた凄い・・

用水の小川は入排水に利用する水の生命線です。降水時には鉄砲水も想定されますが、ここにも細かい堰が切ってあって、適度な水深が設けられており、多様性に一役かっている優しい作りになっています。よく考えられてるなー
山沿いの谷池ではこのような環境が残っているところもまだありますが、平野部の皿池では今ではほどんど見かけなくなった風景です。皿池でも畦裏にあたる土手はコンクリートでしっかり固めても、入水エリア周辺だけはこのように浅く土手も土で管理しストラクチャー(多様な地形)を構成できれば昆虫、魚類、鳥類に優しい環境が出来上がるのにと、いつも横目で???って思ってみています。
あとは、このような貴重な在来植物を根こそぎ台無しにして壊してしまう、アカミミガメ、アメリカザリガニ、ヌートリア、ジャンボタニシ等の外来種の存在と影響も甚大なのはいうまでもありません。暖地を中心に爆発的に数を増やしている彼ら・・私もその現場で彼らに実際に相対していると、日本の在来の生物や環境は、近い将来破壊し尽くされるのではないかと本気で思ってしまう今日この頃です。

公園等の新規造成に特に言えることですが、土木などの世界にも人間の世界から見ただけの尺度ではなく、人間以外の生物への関係性を考えられる度量のある知識人や責任者が必要になってくることは間違いないでしょうね。だって結果的に人間に優しくないことになってしまうから、結局またやり直さなきゃ行けないんだもんね。ほんと・・
建物を建てる際に、免許を持った建築家による設計や構造計算等が必要で確認申請の手続きが必要なように、開発や、公園などを新規で作る際にも、人間さまの都合に限らず、地球環境の一部としての設計や管理設計が必須になる世の中になってくるでしょうね。
まあ、既存の世界は放っておいて、誰にも何ものにも頼らず、自分の手で、自分たちの手で形作っている方はこの世界には大勢いらっしゃいます。よく日本からイノベーションが起こらないと言い切る方もいらっしゃいますが、僕から言わせると非常に狭い世界しか知らない方なんだと思います。沢山のイノベーションが実際に起き、世界のスタンダードとなってきたことは山のようにありますし、今後も日本から生まれる事はきっと尽きないでしょう。

未来の田んぼの縮図がここにはあります。

随所に田んぼの管理技術が使われています。
自然用水を堰板で入排水を管理微調整するのはやはり基本中の基本ですね。
ここでは赤米を植えて稲を管理されています。
我々が色々と保存と普及で頑張ってきた赤米を中心とした古代米も、こういう形で一般化しているのをみるととても嬉しくなります。

収量視点で見てしまうとこれでは全然ダメなので、稲が竹林のように密集していていて周りにその他の植物があるという感じが農的にみると理想的なイメージでしょうか。

ここに書いてある生き物たち以外にも実際はもっともっと沢山の種類がいる感じでした。
だた、この日は雨が降りそうな曇り空だったということもあってか、少し周囲を歩いただけでヤマカガシやマムシに遭遇したので、多様性の一部ではありますが、そういった人間にとっては命の危険性もある生き物も多いので注意が必要です。

ということで、今回の一週間は、自分なりに感じた場所へ色々と出向いて自分の目で見て学んできたわけですが、このような施設だけでなく、実際に環境農法に取り組まれている農家さんのところへも訪問できたりと、色々と未来へのヒントに出会えた、そんな充実した時間となりました。

明日からは稲刈り前の畔草刈り、そして遂に稲刈りが始まってしまいます。

みなさん!

今年の稲もとてもいいですよ〜!!!

毎年毎年、どうしても新たな問題は出てきてしまうのですが、稲はいつも毎年過去の記録や記憶を越え、こちらの思いにしっかりと応えてくれる本当に頼もしい存在なのです。

そんな稲たちが育んだ恵の結晶はもうすぐ形になります。

みなさま、どうか宜しくお願い致します。

農園主