昨日は春に行って以来の本格的な生き物調査に出かけてきました。
実は昨年あたりから、自分の中での『 田んぼ管理の理想形のイメージ』が少し変わってきているという事実があります。
就農当初は、人間の負担軽減が第一で、草一本ない圃場で「出来るだけ作業負荷の少ない形での無農薬栽培の在り方」みたいなのを追求してきたわけですが、ここ最近はそれは実現できるようになってきたせいか「もっと先へ」という欲求が出てきてしまっているのです。
そして新たな「理想形のイメージを体現したい」という衝動にかられているのです。
その理想的なイメージとは、作物の栽培に影響のない範囲での
「生き物達に真に優しい計算し尽くされたビオトープと周りの里山環境」
です。
そして昨日は幸運なことに、兵庫県は篠山市に入り、とある集落の田んぼとその周辺環境を見たときに、コレだ!とイメージがドンピシャな出会いがあったのです。
そして想像通りとてつもない生き物の多様性がそこにはあり、密度も数も種類の多さも他の地域と比べても群を抜いていたのです。
私が感じた、この現象を招いているであろう要素は、以下4つでした。
1)つながりのある水の動線と、淀まない(枯れない)自然な水の流れ
2)平地と山との絶妙な距離感
3)日陰とひなたの絶妙なバランス
4)雑草を根絶しない絶妙な維持管理
私が特にすごいなと感心したのは、4の雑草をわざと生やしている箇所が沢山あるということでした。
コレは田んぼを維持管理している人にしかわからないことなのですが、僕たちは田んぼを見た瞬間に、その作り手の意図とか作り手の性格とか、そういうことが情報としてまず入ってきてしまって、色々瞬時にわかってしまうのです。
僕も近年、自分の田んぼで生き物たちに優しくない箇所などに積極的に手を入れており、例えばカルガモの雛達が高い畦波板を乗り越えられなくて苦戦していたり、水生昆虫が羽化のために蛹になる為に畦ぎわに上陸するのですが、彼らが畦波板を越えるのが困難なような所に、上陸の橋渡しになるように稲藁を敷き詰めたり、溝を多めに切って大きめの「ひよせ」を作り、越冬や避難場所として機能させてみたりと色々と工夫をするようにしています。
おかげで、より多くの生き物達が集まってくれるようになり、賑やかさは年々増すばかりです。
雑草に関しても、草に産卵する子達は勿論いますし、草を食べる昆虫やその他生き物達は沢山います。
全部無くしてしまうことは可能なのですが、「稲の栽培に邪魔にならない程度に田んぼに来てくれる生き物を養える分だけの雑草も一緒に栽培する」というイメージでしょうか・・
来年のイメージがまたドンとわきました!
ひかり農園も、また次のステージに向けて、進んで行きたいと思います。
同じように、田んぼだけではなく、「河川」や「ため池」、その間をつなぐ用水路※実はここの環境づくりがすごく大事、はたまた「海」までも、一つの流れを持って、環境設計、維持管理ができれば、素晴らしい世界が現実になりますね。
新しいそんな流れは既に各地で始まっていますし、ずっと昔から続いている、守り続けている人々も既に沢山いらっしゃいます。
そんな人々に共通しているのは、『 誰にも頼らず、あてにせず、決して人のせいにせず、自分の好きなこと、やりたい事を信念を持ってただただ続けている。』という事です。
そして何よりも環境や生きとし生けるもの全てへの敬愛の念があります。
そんな素敵な先人達にならって、さらに僕らみたいな異端児も加わり、みんなで力を合わせ、こらからの明るすぎる未来を形作っていくのでしょうね。
もう本当に楽しみでしかたありません☆
あ、そうそう、話は全然変わりますが、
夏休みという事もあり、うちの子がついに、あの「風の谷のナウシカ」の原作を読み始めました!!
昆虫好き、生き物好きが高じて、遂に辿り着いたというった感じでしょうか ^_^;
皆さんは、当然ナウシカの原作は既に読んでらっしゃいますよね??!?
アニメ?映画?のナウシカはナウシカではありませんからね笑
原作は全然スケールから何から映画とは全くの別物です。
何十年も前に全巻揃えて、今も僕の部屋の本棚に鎮座するナウシカの原作・・もう説明不要の金字塔なのです。
風の谷のナウシカ。
繋いできた命があります。志半ばで逝った命があります。全ての思いを一身に背負って乱世を生き抜く人々。本当に尊い存在です。
何故かそんなナウシカ達のことを考えていたら降りて来たこの曲を今日の最後に、皆さんにお届けしたいと思います。
おやすみなさい。
農園主