今日は七夕。夏の晴天がとっても気持ちいい!!
今日からうちのお庭でもクマゼミが鳴き始めました。ついに夏の到来ですね!!
そして、今日の午前中で、今年の草取りが終了しました ☆
うちの不耕起田では、毎年ややこしい多年草と、一年草でも特にホタルイとコナギを徹底して取ってきた結果、最終的にはどの田んぼもヒエとの戦いになってきています。
独特の田植えにより、しっかりと苗が地面を捉えるまでは水を深水にできないので、どうしても好気性の草が生えてしまう構造になります。その好気性の草の中でも特にしぶとく厄介なのがヒエなのです。
ヒエは数種類あり、特に私たちが一番注意してマークしているのが「タイヌビエ」です。
タイヌビエは一番稲に姿形が似ていて、プロの僕たちでも見分けるのが困難な時があるくらい厄介な雑草です。
彼らは擬態してるんじゃないかと思うくらい巧妙で、特に、稲の株元にひっそりと隠れていて、あたかも「自分は稲の分蘖だ」みたいなフリして擬態している子たちがいたりします。
そういった個体を取り逃がしてしまうと、7月の20日頃、ちょうどコシヒカリが出穂する時期に稲より少し高く成長し出穂し、まさに神速でタネを落としてしまいます。しっかり見てないと一日二日で先にタネを落とされて手遅れになってしまうのです。
また更に彼らが巧妙なのは、背丈が稲以上になる子もいれば、稲より低く、株元に隠れて出穂した大量にタネを落とす子がいるというところで、気づいたときにはもう既に手遅れで、次の年にはそこから着実に発芽し、また厄介な草取りの元凶になっていってしまうのです。
実際のヒエ取り作業はこのようにしています。まず田植え前と田植え後、そしてダメ押しに7月初旬から中旬までのこの時期に、通常4条から6条くらいで田んぼの中を歩いてヒエを拾い草していきます。草はタネが落ちた箇所に集中して生えていることが多く、特に前年に多くのタネが落ちてしまっているような怪しい箇所は3条から2条に範囲を狭めて集中して速度を落として歩いて行きます。7月に入るとヒエが大きくなり根を引き抜くことが困難になる為、アスパラ鎌で成長点の下からしっかりと除去していきます。
範囲を狭めて集中して作業していると、なんだか田んぼから「胡散臭いにおい」みたいなのがしてきます。稲の秩序から少し外れたなんか怪しいにおいがしてくるんです。もっともっと研ぎ澄まされてくると、後ろにも前後左右360度にヒエの気配を感じてきたりします。
ただ、自分の目や感覚を疑うことも忘れないように、ある程度前に進んだら、必ず後ろを振り返って、取り残しがないか最終チェックをします。
一回の仕事の精度を極限まであげることで、コツコツと積み上げられていく仕事の精度はどんどん向上していきます。
このように、適期・適時間に、精度の高い仕事を毎年繰り返していくことで、理想的な素晴らしい田んぼが出来上がっていくのです。
無農薬稲作に奇跡は存在しません。
適期に、いかにちゃんとした仕事をコツコツ続けられるか、結局はこれにつきるのです。成功の鍵とはなんでもない普通の日常なのです。
あと、そうそう、話は変わりますが、この明石や神戸市西区、稲美町近辺に、ジャンボタニシが西から南から上がってきて、ついに一般化してきましたね!!
そこで笑ってしまっては失礼なのですが、ご苦労様なことに、農家さんや周りの目が気になる方々が、一生懸命この炎天下、タニシを網かなんかで取っている姿をよく目にしたりしています(^_^;)
まじで笑ってしまって失礼なのですが、ほんとそれマジで無意味です。
スクミノンもいっ時だけの気休めなので、マジでお金の無駄遣いです。
皆さん、まずは徳島や岡山の田んぼの現状を見てきてください。
水に乏しい兵庫県南部とは違って、水の都には!田んぼには!サザエが存在します!!!笑笑
ジャンボタニシが通年成長し、タニシじゃなく、もうサザエレベルにでかくなってそこらじゅうを這い回っているんですよ!!
そんなもん相手にみんな稲作営んでるんですよ!
だからもっともっと先のことも考えて、今どう動くか深く考えるべきじゃないでしょうか?
結論から言うと、ジャンボ撲滅は絶対に不可能だと思います。
じゃあどうするか、共存していくしかないでしょう?!
私は全国の農家さんの色んな現場に足を運んでいるうちに、ココもいつかこうなる事が分かっていたので、早々に対策し(農園を始めた時からずっと変わりませんが)一切ジャンボに食べられる事なく、深水でも分蘖しまくりで管理ができています。ジャンボは稲が硬くて食べられないので、卵を稲に産んでいます。嘘だと思うならうちの田んぼに見学にきたらいいよ。見せてあげるから。
とにかく、どの農家さんにも声を大にして私は言いたい。
ずっと昔から先人たちの知恵の結晶だった、「育苗」に原点回帰せなあかんて!!!
稲作なんて、これしかやる事ないでしょうよ! しっかりした苗作らないで他何やるの!
稲なんて野生児なんだから、しっかりした苗さえ作ったらそれで9割終わりやん!他にいったい何やるの?!?
という事で、ジャンボタニシに勝つ方法→育農コース
またかいな、ですが、
やっぱ原点回帰やで。というお話でした。
という事で、今日も言いたい事を言って、終わりにしたいと思います。
以上現場からでした。
ありがとうございました。
農園主