1月15日。
どんど焼き を行いました。
当農園では、柿の木や梅の木やその他庭木などを秋冬に剪定したものを乾かしておいて、年明けの一番寒い時期にどんど焼きを兼ねて燃やすことにしています。
籾殻くん炭作りをやる時も、どんど焼きの際に同時にしたりしています。
隣の田んぼが耕作放棄田になって月日が随分経ちました。
田んぼの畦草は刈っているのですが、敷地境界の際に生えてしまったセイタカアワダチソウが軽く背丈を越え、今回一緒に全て切り倒して燃やそうと思っていたのですが、なんとそこをモズがとまり木にしていたのを見てしまったのです。
人間にとっては嫌な耕作放棄地の伸び放題の雑草も、野鳥をはじめ人間界とは違う野生生物にとっては大切な物だったりするんだなと、また色々と考えさせられた出来事でした。
結局、セイタカアワダチソウは刈らずにそのままおいて置くことに ^_^
さて、今日はアウトドアの、特に冬場および夏場の服装について色々と思うことがあったので書いてみようと思い立ち、筆を(タイピングを)進めています。
農業とは直接関係がないかもしれませんが、ライフスタイルのカテゴリーの記事だと思い読んで頂けたらと思います。購読者の皆さんの日常に何かのご参考になれば幸いです。
それにしても今年はめちゃくちゃ雪が多いですよね〜!!
各地で豪雪で次々に記録更新がされていますが、冬のアクティビティーを楽しんでいらっしゃる方は、とてもウキウキする状況になっているのではないでしょうか。
数年前に超暖冬で本当に雪が降らなくて、ただでさえ色んな意味で大変なウインタースポーツやレジャーから派生したが各地のリゾートが、窮地に追い込まれてしまったのは記憶に新しいと思います。
昨年や今年の冬は本当に雪が沢山降り、各地のリゾートにも人が(若い人が)戻ってきているみたいでとても喜ばしいことだと思います。
私もここ15年〜20年くらい、ギアを一切更新しないで騙し騙し使い続けてきました。
子供達が少し大きくなってはまた産まれてだったので、特にこの10年間は自分の時間は一切無く、子供の面倒と稲の田んぼのお世話だけで時が流れて行ってしまった感がありましたが、やっと一番下の子も3歳を過ぎ、色々と自分自身にも時間が使えるようになってきたのを機に、ずっと趣味(ライフワーク?)のウインタースポーツを本格的に再開する事を決心をしたのです。
ボロボロだったギアを少しずつ更新していったわけですが、子供達のレッスンに明け暮れていたここ数年は向かうゲレンデもファミリー向けで、しかも初心者向けの山の下にいることが大半だったので服装も何とか軽装でももっていました。
ただ、今年になって一番上の子が初めてパウダーランを習得したいという事で、本格的な山へ行こうという話になり、北アルプスに滞在することになったのです。
その楽しいはずの山中で事件は起きました。
滞在中のゲレンデ真横のホテルから早朝、駐車場の自分の車のルーフボックスに置いていたスノーボードを夜明け前5:00頃に取りに行った時の事でした。
現場は標高も高く、また外はまだまだ暗く、しかもその時は暴風雪の警報も出ている状況で、気温は−20℃以上はあったかと思います。
ホテル内(部屋)の気温は子供達もいるので20℃以上。外との気温差は40℃以上・・
しっかりレイヤリングして防寒の冬作業用の長靴に手袋。自分では完璧だと思っていたのですが、
一番外のシェルと頭部の装備が完全に甘かったのです・・・
かなり前に買った HOUDINI の何かよくわからない素材のフード付きのアウターシェルを一枚羽織って外に出たのですが、出た瞬間、「これはヤバイかも・・」と何かが脳裏をよぎりました。
一歩一歩停めてある車への向かうのですが、横殴りの猛吹雪の風の身を切るような冷たさがシェルを突き抜け、体の芯に響き始めました。
猛吹雪が全身を直撃し呼吸がままならくなってきました。
車まで結構な距離を歩き、やっと自分の車を発見し、積雪で途中から体の半分が埋れてしまうような中、猛烈な風を横から受けた時のことでした、風が思いっきり呼吸と共に肺に入ってしまい、ギュッと血管が縮まるような感覚に陥り、動悸がして体調が急変してしまったのです!
「これはまずい!!マジでやばい・・」
とっさに奥さんに電話!!もし何かあっても助けにきてもらえるように一応連絡をとったのです。動いている除雪車が見え、ホテルに出勤するスタッフの方が3名ほどこちらに向かって歩いてきているのが見えたので、何かあったら声をかけられる体制で、体調が戻らないので一旦作業を諦めてホテルの部屋に戻ることを決心しました。
動悸が一向におさまらないなか、何とかホテルまで歩いて戻ることができ、最終的に大事には至らなかったものの、後になって、原因は「ヒートショック」の一種だということがわかったのです。
しばらくは、朝一に気温差40℃以上の所で作業しに行った自分の浅はかさ、「もう若くないんだ」という現実がかなりショックで落ち込んでいましたが、レイヤリングを見直し、羽織るシェルを代替えし、バラクラバとゴーグルを装備して再び外に出、今度は難なく雪をかき分け車まで辿り着き、ルーフに置いてあった自分の板を持ってくることが出来たのです。
ただ、その日の朝一、長男と山頂へリフトで上がり、朝一パウダーを滑ろうとしたときにまたが異変が起きました。
早朝の際に代替えしたのは自分の物ではなかったので、また HOUDINI の何かよくわからない素材同じダメシェルを着ていったのですが、長男が初めてのパウダーで案の定、止まって雪に埋まってしまい、離れたところ(極寒パウダー急斜面上)で私は止まって待つしかない状況になってしまったのです。
2−3m積雪のドパウダーで一度止まってしまうと、身動きが取れなくなる事がよくあります。その時もパウダー用のスノーボードをはいていても、止まってしまうと腰上まである雪の中で、またシェルの上から寒さが貫通してきたのです。。しばらくして長男は苦労しながらも何とか脱出して下に滑り降りて来ましたが、またアウターシェルを貫通して急激な冷えに襲われ私の体調がまた悪くなってきてしまったのです。。
何とか冷静さを保つべく自分に言い聞かせて滑っていき、その後無事に下山する事はできたのですが、もうこのアウターギア達が全く信用できなくなり、遂に手放す決意をしたのです。
ちなみに先に断っておきますが、HOUDINI はミッドレイヤーでは非常に優秀なブランドであるとは思っています。現に私も根っからの HOUDINI 愛好家の一人です。ただ何故かアウター素材にGORE-TEXを採用しないという頑ななポリシーがあるみたいで、それが原因でアウターの機能性が著しく損なわれていることは否めません。私が使用していた物はHOUDINIが日本に来た時の初期の初期のアウターシェルで価格も高く最上位モデルだったと記憶しています。
ただ実際に雪山の現場では「HUDINIのアウターは使えない」という声をよく耳にします。
デザインセンスやブランド全体のイメージは良いですし、他に無いものを創出し続けているので素晴らしいブランドだとは思います。実際に最大手の一般の私服量産ブランドも彼らのことを間違いなくベンチマークしていて、類似品が沢山リリースされているような感じがするのは皆さんも感じている通りだと思います。
脱線したので、すみません。話を戻しまして、その後は幸いにも段々と天候は回復し、10:00頃からは視界良好となり、北アルプスの極上のパウダーを久しぶりに堪能できたわけですが、今まで若い頃には絶対になかった雪山での体調不良。。それは自分にとって非常に怖い体験となってしまいました。
元々体育会系で、体力と運動全般には自信があり、かなり自信過剰だった若い20代・30代の頃。当時は軽装で山に入り、ツリーランで雪山を駆け抜け、遭難なんて縁もないという世界にいたのですが、自意識過剰で怖いもの知らずだった無知な自分が、本当に恥ずかしくなりました。。
冬山での事故というのは、大概はこうした僕のような、準備不足、知識不足、経験不足の「若気の至り」が起こすのかもしれません。
たとえ準備万端であったとしても、「冬の雪山は、どんな時でも危険な場所に変わりない」
ということなんだと思います。
今一度、今回の反省から、全てを改める決意をし、まずは行動計画とギアを見直すことにし、
早速ずっと更新していなかったギアを最新の
に更新しました。
昔の素材のよくわからないシェルとかとはもう、何もかもが別次元で、まずスレに強く、ツリーラン等の際に木や岩等に引っ掛けそうになっても全然大丈夫で、風も雪も水も完全シャットアウト。汗をかいても決して蒸れず、しかも軽くてストレッチが効いていてめちゃくちゃ動きやすいときたもんです。
とにかく、進化した最新素材はめちゃくちゃに凄かったです。
『GORE-TEX PRO 3レイヤー』
冬の雪山に行かれる方で、しばらくギアの更新をされていない方には是非!オススメしたい逸品です。
絶対に損はしないと思いますし、まず命には変えられないと思います。
今回は冬の雪山におけるギアチョイスの留意点などを下記のリンクにまとめておきますので、是非ご参考になさってみてください。
そこで、やっと本日の本題に入りたいと思います。
実は私たちひかり農園のメンバーも随分前から、農作業の現場にこの「GORE-TEX」を取り入れています。
→苗の管理作業、田植え、初夏から秋までの畦草刈りの激務、時には雨の中での稲刈り天日干し作業・・と冬の雪山とは真逆の環境での過酷極まりない水の中での作業において、特に下半身が外と中から水に濡れてしまう事が稲作現場においての大きな課題でした。
モンベルさんから農作業用のジャンルでスレにも強いGORE-TEX素材のアウターシェル(フィールドウェアシリーズ)が発売されて以来、もうこの過酷な現場作業の次元が全くの別のものに変わってしまいました。
特に、このモンベルさんの『 GORE-TEXのフィールドレインビブ 』に『 マキタさんのファンジャケット(専用保冷剤)』を組み合わせると夏の現場における最強装備となります。
あくまでこれは私の考えなのですが、現場におけるスポ根みたいな根性論世界はもう終わりにしたほうがいいのではないでしょうか。
確かに肉体はその環境に慣らして鍛え続けることは大事だとは思います。
ただ、どうしても年齢と共にそうも言っていられなくなる状況に出くわしてくると思うのです。
本当に目指すべきところは、『安全に、楽しく、効率よく、現場をこなす』ことであり、
間違っても、現場で命を落としそうになったり、辛く苦しく悲しいものではあってはならないと思うのです。
それぞれの余裕のある範囲で構いません。
本当に困った事になる前に、取り返しのつかない命に関わることになる前に、限界を少しでも感じたら、装備、ギアを見直してみることもこの際ありなのではないでしょうか。
GORE-TEX はその独特の生地構造から、メンテナンスも必須なので結構手間がかかるのは正直なところです。ですが、それにも増して、現場環境が激変するほど優れたギアでもあると思うのです。
私は自分自身の経験から、冬と夏の過酷な自然環境を克服するのに、GORE-TEX シェル。
これを是非皆さんにオススメしたいと思います。
農園主